カフェでもない、喫茶店でもない。
その中間みたいな、ちょうどいい居場所。
布施・プチロード広小路商店街の「カフェ・プレール」は、大阪のおばちゃんたちが、声を張らずに語れるオアシス。
煉瓦造りの外観と、ふわっと広がる珈琲の香り。厚焼き卵のミックスサンドに、無料のおかわり珈琲。
なんだかんだ言って、ここがいちばん落ち着く。
今日はそんな「いつもの」空気を、ちょっとだけおすそ分けします。
住所 | 大阪府東大阪市足代1-18-6GoogleMap |
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電話番号 | 06-6728-2501 |
営業時間 | 7:30~17:00(モーニング ~11:00) |
定休日 | なし |
喫煙可否 | 喫煙可 |
SEKAI PASS特典 | モーニング無料(朝食付きプランご予約者のみ) |
商談の街が生んだ、喫茶の風景
大阪の喫茶店文化には、商人たちの知恵と生活が詰まっている。
高度経済成長期、手狭なオフィスの代わりに、商談は喫茶店で。
あの「おしぼりサービス」や、新聞の置き場。あれも元は、大阪の商人文化から生まれたと言われている。
今どきのカフェでは、パソコンと睨めっこしながら黙々と作業する人が多いけど、大阪では今も昔も「喋る場所」がちゃんと生きている。
布施のプチロード広小路商店街にある「カフェ・プレール」は、まさにその象徴みたいな場所。
ここには、あの頃から続く「喫茶」の空気がちゃんと残ってる。
洋風の空間に、関西弁がよく似合う
赤茶色の煉瓦に囲まれた外観。
一歩入れば、ブラウン基調の洋風インテリア。
だけど聞こえてくるのは、関西弁で繰り広げられる世間話。
そのギャップがなんとも心地いい。
テーブル席は2人・4人掛けがずらりと並び、最大20名ほどがゆったり過ごせる広さ。
近所のおばちゃんたちが、珈琲片手に笑ったり、ちょっと真剣にうなずいたり。
会話の温度に合わせて、空間がゆっくり呼吸している。
スタッフの距離感も絶妙で、「ちょっとほっといてほしい時」も「声をかけてほしい時」も、ちゃんと察してくれる。
それがカフェでもなく、古びた喫茶店でもない、「プレール」らしさ。
おかわり、もう一杯。そんな気分の日に
「ゆっくりしてってな」って、言葉にしなくても伝わってくるサービス。
ここでは、珈琲が無料でおかわりできる。
これは系列店の「池田屋珈琲」から続くスタイルで、自家焙煎の香り高い一杯を、気兼ねなく味わってほしいという気持ちのあらわれ。
作業をするでもなく、スマホも見ずに、ただ目の前の人と話す時間。
そんなときの、もう一杯の珈琲が、やけに美味しかったりする。
ふわふわ卵のサンドが、朝のごほうび
サンドイッチだって、ちゃんと“本気”。
自家製パンにふわふわの厚焼き卵を挟んだ、大阪らしいミックスサンド。
ケチャップの甘酸っぱさと、ハムの塩味、キュウリのシャキシャキ感が、それぞれ主張しながらも喧嘩しない、絶妙なバランス。
SEKAI HOTEL Fuseのゲストは、朝食付きプランをご予約していたら、このミックスサンドが無料でいただける。
朝から大きな口でほおばる贅沢、ちょっと早起きしてでも味わいたい。
定番の向こうにある、毎日のごちそう
お昼どきになると、常連さんたちが続々と集まってくる。
プレールのランチは、いわば“毎日食べられるごちそう”。
ナポリタンやオムライス、カレーライス。どれも懐かしくて安心する味。
日替わりランチは、和・洋の2種から選べて、メインに加えてご飯・スープ・サラダ・小鉢がついて、なんと700円。
これを「コスパがいい」と一言で片づけるのは、少しもったいない。
この価格で提供できるのは、常連さんが毎日来てくれるからこそ。
日常に寄り添うって、こういうことかもしれない。
最後に、もうひとつだけ
会計を済ませて、ドアを開けた瞬間に目に入るのが、店先のショーケース。
そこに並ぶのは、これまた手作りのサンドイッチたち。
運営会社が八百屋も営んでいるという背景があり、新鮮な野菜や果物がたっぷり挟まれていて、しかも250円〜。
彩りもボリュームもたっぷりで、つい「どれにしようかな」と立ち止まってしまう。
黒板に手書きされた“人気ランキング”を参考に、直感で選ぶのもまた一興。
「また来るわ」の、その先へ
プレールの魅力は、派手さじゃない。
でも、気づけば「また行きたいな」って思わせてくれる不思議な引力がある。
喫茶店でもない、カフェでもない。
でも、ちゃんと居場所になってくれる。
布施の街角で、今日もまた誰かの会話がはじまっている。
煉瓦と珈琲と、おばちゃんの声。
その全部が、日常のBGMになっている。