今や、寿司・焼肉に次ぎ、日本食の代名詞となった「ラーメン」
各都道府県が地元の特色を生かした「ご当地ラーメン」を展開し、日本国内でもしのぎを削っています。
食のみやことも言える、大阪にはご当地ラーメンがない。と言われているそうですが、
大阪・唯一のご当地ラーメンが、ここ布施にありました。
町工場で働く労働者に、塩分補給・エネルギーチャージとして愛された、
うどんのように太いストレート麺と、醤油ベースの深い黒色スープがインパクト大!な、『高井田系ラーメン』をぜひ、発祥の地・布施でご賞味ください。
大阪・唯一のご当地ラーメン『高井田系ラーメン』に迫る!
東大阪市の高井田を中心に生まれた「高井田系ラーメン」は、唯一の大阪ご当地ラーメンと呼ばれています。
極太ストレート麺、鶏ガラと昆布を使用した醤油味のスープが特徴的な、ラーメンというよりは、中華そばと呼びたくなるような一品です。
「関西の味付けは薄味が基本」という固定概念を大きく覆してくるほどの濃い醤油味は癖になる人が多く、根強いファンがいます。
元祖・高井田ラーメン『中華そば 住吉』
「元祖高井田ラーメン」を名乗るのが、ここ『中華そば 住吉』です。
早速定番の中華そば(700円)をいただきます。
まず目につくのはこの、うどんのような極太麺。
真っ直ぐ伸びたストレートの麺は歯ごたえが強く、コシがあります。
鶏ガラと昆布でとった出汁に、マルキン醤油を使用したかえし(ラーメンタレ)で作られるキレのある醤油のスープ。最初の一口は少し酸味が強くも感じますが、それがまた癖になるんです。
適度に脂身を削った、「THE・中華そば」な豚肩チャーシューに、ザク切りのネギも良いアクセントになります。
「受け継いだ味を守る為、新しい事は致しません。」
1945年の創業後、創業者である祖父母が作った中華そばを麺やスープはもちろん、具材の仕入先まで当時のまま受け継いでいるという現店主・稲住さん。
この余計なものを入れないシンプルさが、永く愛され続けている秘訣です。
工業労働者の塩分補給に!パワーの源となった高井田ラーメン
東大阪市は昔から町工場が多い地域。
工場で汗水流し、身体に塩分を欲している町工場の工員さんには、この濃厚な醤油味が打ってつけだったに違いありません。
実際にお客様の要望でドンドン味が濃くなり、現在ほどの濃さになったという噂まで。
さらに、モチモチとして食べ応えがある腹持ちのよい極太麺は、日々力仕事でエネルギーを必要とする工員さんにとって有り難いものだったでしょう。
「おはようラーメン」で一日を始めよう
中華そば 住吉の営業はなんと朝8時から。
高井田系ラーメンのお店は開店時間が早いのも特徴なんです。
夜勤明けの工場労働者にラーメンを提供していたのが始まりと言われています。
高井田系ラーメンは工員さんたちの腹を満たす存在として親しまれてきたのですね。
朝から高井田系ラーメンを食べることは「おはようラーメン」「朝ラー」などとも呼ばれており、今でもその伝統は続いています。
常連さんはお持ち帰りで自己流カスタム!
中華そば 住吉は夕方は麺が無くなってしまい、夜営業はお休みとなることもあるんです。
実は、常連の間では持ち帰りも定番!
高井田系ラーメンでは、「持ち帰り」が古くから定着しており、創業当時はスープをウィスキーや焼酎の空き瓶に入れてもらっていたのだとか。(現在でも空のペットボトルや醤油の空き瓶に熱々のスープを入れての提供です。)
8席ほどしかないカウンターはいつも満席。
混み合った店内で食べるのもいいですが、電話で予約したらその場で受け取れる手軽さもローカルフードならでは。
榮大號製麺でオーダーしている、特注のもちもち太麺も生麺での提供なので、お家でお店の味をそのまま再現できちゃうんです。
お家で食べる時は、思う存分自分好みで。オリジナルカスタムを探してみては?