路地裏から見える、寂れた建物や、昔ながらの看板。
写真を撮って、手軽に昭和にタイムスリップしたような気分を味わえますが、それだけではもったいないんです。
さらに一歩進んで、隠れ家のようなお店に入ってみると、よりディープな世界観に浸れます。
SEKAI HOTEL Fuseから徒歩30秒。まさに穴場と言えるお好み焼き屋、「しげ美」をご案内します。
タイムスリップしたような空間に迷い込んでみる
色褪せたのれんからのぞく、薄暗い店内。
一目見ただけでは少し勇気が要りますが、大丈夫。
安心してお店に入ってください。
今ではあまりお目にかかれない、コの字のカウンターが。
お客さん同士で自然に会話が起きるのが特徴です。
店内のテレビによく流れている演歌番組が、昭和の雰囲気を醸し出していて、まるでタイムスリップしたような空間と相性抜群。
しげ美は、御年85歳(2023年時点)のお母さんが一人でお店を切り盛りしていらっしゃいます。
「こんにちは。何にする?」
「あんたどっから来たん?」
大阪のおばちゃんらしい、親しみのこもった口調に元気をもらえます。
からしは譲れないこだわり
目の前の鉄板で焼かれるお好み焼きのにおいは格別。
お肉とキャベツの焼けるにおいが、食欲を刺激してきます。
両面が焼きあがったら、仕上げの味付け。
しかし、ソースとマヨネーズだけではありません。
お母さんが作るお好み焼きには、他では見かけないアクセントが入っています。
それは、なんと練りからし。
時折鼻にツンと抜ける辛さが、くせになります。
「みんな口が肥えてきたからなぁ。」と、工夫をこらした結果始めたそう。
「そしたらみんな美味しい言うて食べてくれてん」と、優しく語るお母さん。
そんなお母さん秘伝の味を一度試してもらうべく、「いっぺん、ちょっと食べてみ!」と必ずおすすめされます。
これができたら関西人!地元の人の食べ方にチャレンジ
一般的には、鉄板の上のお好み焼きを取り皿に移して食べますよね。
ところが、大阪の人は違います。
鉄板に置いたままコテで切って、そのまま口に運んでいるではありませんか。
いざやってみると、案外難しいんです。
しかし、これをマスターできたら、あなたも大阪下町の一員。お母さんや常連さんにも驚かれるかもしれないので、試す価値ありですよ。
もちろん、お箸と取り皿も用意してもらえるので、ご安心ください。
お昼時を、ちょっとディープに。
近所の居酒屋さんが開く午後5時ごろ。
お母さんの夜は早いので、この時間になったら居酒屋さんと入れ替わるようにお店が閉まります。
なので、行くとしたらお昼どき一択。
旅先での昼食を、ディープに楽しむという選択肢もいかがでしょうか?