「地元の商店街はシャッターだらけ」
「空き家が目立ってて、元気がない」
まちが寂れていくことを嘆く声は増えつつも、問題は複雑で一人の力では解決しにくいもの。
そんな課題に着目して生み出されたのがSEKAI HOTEL。
大阪・布施では7棟の空きテナントを、客室にリノベーションしてきました(2023年時点)。
地域を巻き込んだまちごとホテルは、どのように今の姿になったのでしょうか?
まちに、新たな風を吹き込む
今は、まちの中に客室が分散しているSEKAI HOTEL Fuseですが…。
オープン当時の2018年は、「キヨシマ」と書かれた看板が目印のフロントと客室1棟だけでスタートしました。
地域の方をあつめて、事業説明会も実施。とはいえ、
昔ながらの商店街で、ホテルを経営する。
しかも、こんな場所で?
当初は不思議でいっぱいなお話でした。
SEKAI HOTELが当たり前の風景に
より多くのゲストを迎えられるよう増設を続けて、2020年には7棟目の客室が完成。
初めは地域の方にとってよくわからない存在だったものの、昔ながらの看板や外観を残したリノベーションを行ったからこそ、徐々に馴染んでいきました。
客室棟の前を通りながら
「これなんやろう?」
とつぶやく人に、
「ここホテルやねんで!」と
地域の方が答えてくださる光景も日常茶飯事。
さらに、ある日フロントにお花を持って来てくださった女性が。
その方は、元々婦人服屋さんだった「キヨシマ」の店主の娘さんでした。
「お店の看板を残してくださって、母も天国で喜んでいると思います。ありがとうございます。」
かつての面影を残す客室棟は、地域の思いと、様々な土地から来た人をつなぐ場所に生まれ変わっているのです。
この仕組みを、新たな土地でも活かしたい。
長らく望んでいた新規開拓を形にするため、次に選んだのは富山県の高岡市でした。
リノベーションをした「文苑堂(ぶんえんどう)書店」は、こちらもかつて地元の人から愛されていた本屋さん。
実は、高岡はドラえもんの作者である藤子・F・不二雄さんの出身地。
ここは藤子さんが少年時代に通っていた書店でもあります。
閉店が惜しまれた場所だったからこそ、看板を残したままのリノベーションは、地域の方にとっても喜びの声が上がりました。
ゲストの選択が、まちをつくる
そんなまちづくりの先に、SEKAI HOTELが目指している未来があります。
それはまるでお祭りの夜のように。
あらゆる人が混じりながら、優しい時を過ごす場所でありたい。
SEKAI HOTELのスタッフ、地域の人々、そしてゲスト。
異なるバックグラウンドを持つ人同士が、分け隔てなくつながりあえるセカイを実現できると信じています。
今後も、SEKAI HOTELの拡大と、まちとの新たな化学反応にご期待ください。
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